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コース取りの基礎知識 《実践編》 その2

【スタート前の確認項目】


1.本部船の上側から見通しを取る。



本部船の上側から見通しを取り、ラインをより正確に把握する。
図では上側からのみの確認図となっていますが、アウターマーク側からの見通しも取れればより正確になってきます。
通常、見通しの取れる状況に関しては、必ず確認しラインを見極める必要があります。

また、よく選手に聞かれる質問で、
レースエリアがかなり沖で、見通しが上からも下からも見れない状況がありますが、どうしたらいいでしょうか?

こういった状況は江の島沖や、蒲郡沖、津などがあげられます。もちろん見通しが取れない状況下でもジャストスタートをしていかなければなりません。

日頃の練習で、
1.スタートラインを何回も流して、どの位置でも自分がライン上にいるという感覚を身に付ける。
2.スタートラインを横切る際に手をあげて、本部船になるボートに何艇身出たか、ジャストか、引っこんでいたかを指でサインを決めて確認するか、大きい声で言ってもらうのか、やり方はそれぞれありますが、とにかく色々な場所からスタートし、実際の見ている感覚と艇の傾きによるラインを切るタイミングの感覚を身に付ける。

スタートも経験で自分なりのラインが見えてきます。とにかく多くラインを切る練習を行っていくことが大切です。
また、ラインが見えるようになってきても、潮や波、うねり、艇団、間近の艇などの影響で自分の良い感覚が狂わされることが多々あると思います。
スタートするまでの流れをその場の状況に合わせ、頭の中で何度かシュミレーションし、より良いスタートをするためのポジションはどこかを割り出していく必要があります。

先日の2011年ユニバーシアード、470級/スナイプ級ジュニアワールド日本代表選考レースやユースナショナルチーム候補選手合同合宿 兼 2011年ISAFユースワールド日本代表選考会のレースを見て、非常にスタートが上手い!と驚かされました。
選手の多くがOP級から続けており、多くのスタートを経験している事が大きく影響しているのだと思いました。

しかし、この2つの大会を見ると、経験による感覚に頼りすぎて潮などの影響によるラインの変化に気付いていないケースが多々あった事が非常に残念でした。

良いスタートをすることがいかに大変か、選手であれば誰でも分かると思います。
私の経験からですが、とにかくスタート練習を行い良い目と良い感覚を養っていくしかありません。最後に判断し、ラインを切って行くのは自分なのですから。